レター 2025年 夏号
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さ藤貴加入者向広報〈共済だより〉vol.154 令和7年7月1日発行と うひ でた か 秀日本私立学校振興・共済事業団 直営医療施設東京臨海病院〒134-0086東京都江戸川区臨海町1-4-2☎03(5605)8811(代表)https://www.tokyorinkai.jp/◆東京メトロ東西線「西葛西」駅から都バス「臨海町二丁目団地前行」約10分「東京臨海病院前」下車◆JR京葉線「葛西臨海公園」駅から徒歩約20分東京臨海病院 救急科部 長 佐熱中症から身を守るために 年々、日本の夏は厳しさを増しています。温暖化の影響で東京の気温は上昇し続けており、最高気温記録が 40℃を突破するのも時間の問題と考えられています。熱中症で救急搬送される人も年々増加傾向にあり、特に、高齢者や小さなお子さんは体温調節が難しく、注意が必要です。冷房をうまく活用しましょう 「冷房をつけると体に悪いのでは?」と心配する人もいますが、実は熱中症を防ぐためにとても有効な手段です。室内でも熱中症になることがあるため、日中はできるだけエアコンをつけて、適切な温度(25〜28℃)を保ちましょう。扇風機や換気を併用すると、冷気が循環しやすくなります。我慢せず、積極的に冷房を活用してください!水分だけでなく「塩分」も忘れずに汗をかくと、水分と一緒に塩分も失われます。水だけを飲み続けると、体内の塩分バランスが崩れ、かえって体調を崩してしまうことがあります。平成 22 年の記録的猛暑の時に当院の救急科は過去最高の熱中症患者を収容しました。全国的にも症例が激増し翌年の報道では水分水分と強調されました。23 年夏においては、当院の救急科には低Na(ナトリウム)血症を伴う患者さんが多数搬入されました。熱中症予防には、塩分が含まれた飲み物が重要です。スポーツドリンクや経口補水液は、塩分と水分を同時に補給できるため、熱中症の重症化を防ぐのに効果的です。水だけではなく、こうした飲み物も意識して取り入れましょう。「まだ大丈夫」と思わず、早めの対策を熱中症は「喉が渇いた」と感じたときにはすでに進行していることがあります。こまめに水分をとり、塩分補給も忘れず、冷房を積極的に使い、無理せず涼しい環境を作ることが大切です。日本の夏を安全に乗り切るために、今からできることを始めましょう。熱中症は環境因子による病気です。環境因子なので避けられうる病気なのです。19メディカル・インフォメーション熱中症

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