レター 2025年 夏号
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いつめざそう健康体!お酒に含まれる純アルコール量(g)肝臓の数値が悪くないなら、お酒を飲んでも大丈夫? 「酒は百薬の長」という言葉があり、アルコールは少し飲んだほうがよいと思われている人も多いかもしれません。一方で、令和 6年に公開された「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(※※1)では、飲酒量が少ないほど飲酒によるリスクが低下するという報告がされるなど、近年では考え方に変化がみられています。日本でのアルコール消費量は全体として減少傾向ですが、生活習慣病のリスクのある飲酒者の割合は男性 14.1%、女性9.5%と、一部の人は多くのアルコールを摂取していることがわかります(※※2)。女性で習慣的に飲酒する割合は増加傾向です(※※2)。飲酒の健康リスクは、肝疾患だけでなく、生活習慣病、がん(胃、肺、大腸、食道、肝、前立腺、乳)、アルコール依存症等の疾患があります(※※1)。急激な大量摂取での急性アルコール中毒の可能性や、健康以外にもケガや他人とのトラブル、紛失物の発生等のリスクもあげられます(※※1)。チェックしてみよう「純アルコール量」アルコールによる影響は個人差があります。アルコールを飲む人は、上記のようなリスクを理解した上で、自分に合った飲酒量を決めて、健康に配慮した飲酒を心がけることが大切です。その際、アルコール度数だけでなく、アルコールの量(「純アルコール量」)を注意してみましょう。右記の計算式や、厚労省web ツール「アルコールウォッチ」(※※ 3)を活用してください。大手酒造メーカーは純アルコール量を表示する取り組みを進めており、簡単に確認ができます(下図)。男性 40g 以上、女性 20g 以上の飲酒は生活習慣病のリスクを高める、また 1 回に 60gを超えて飲むことは避けるべきだとされています(※※1)。これらは決して個々の許容量を示したものではありません。高血圧や男性の食道がん、女性の出血性脳卒中など、少量であっても発症リスクをあげることもあります(※※1)。また、高齢者、若年者、女性、アルコールで顔が赤くなったり動悸や吐き気の出る体質の方(長年の飲酒で飲めるようになった方も含む)は、飲酒の影響を受けやすくなります(※※1)。持病のある方は、かかりつけ医等に相談して頂ければと思います。アルコールウォッチ(※※ 3)飲んだお酒を選ぶと純アルコール量と分解時間のチェックができます。18東京臨海病院 健康医学センター 与摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)× 0.8例)ビール500ml(5%)の場合の純アルコール量500ml × 0.05 × 0.8 =205%ビール 500ml = 20ghttps://izonsho.mhlw.go.jp/alcoholwacth/ 英都美よえみ加入者向広報〈共済だより〉vol.154 令和7年7月1日発行参考文献 ※ 1 厚生労働省 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン 2024https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/001217871.pdf※ 2 厚生労働省 令和5年国民健康・栄養調査報告 The National Health and Nutrition Survey in Japan, 2023https://www.mhlw.go.jp/content/001435384.pdf※ 3 厚生労働省 アルコールウォッチ あなたの飲酒を見守る  https://izonsho.mhlw.go.jp/alcoholwacth/カラダによいことアルコールの話

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