レター 2025年 冬号
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かさはらたけとし〉りよだ済共〈 報広向者入加22「寝る子は育つ」「早寝早起きは病知らず」など、昔から睡眠はからだの成長、健康に関わることが知られています。現代の日本人は世界一長寿でありながら、世界一睡眠時間が短い国民とされ、世界から不思議がられています。睡眠時間はとても大切ですが、短すぎても長すぎても健康には良くありません。質の高い睡眠は重要で、睡眠で休養がとれ、目覚めの良い熟睡感を得られることが大切です。今回は、運動でできる快眠のコツについてお話します。効果的に眠気を生み出すには?「眠気が来なくてなかなか寝つけない」とよく聞きます。それは深部体温が十分に下がり切れていないためかもしれません。脳や心臓、内臓、動脈などの温度を深部体温と呼びます。健康な人の深部体温は、普段測る皮膚温よりも0.5度~1度ほど高く、37度前後に保たれています。睡眠は深部体温と深く関わっています。深部体温が上がった後、全身の血液循環が高まり、放熱が促され、ゆっくり深部体温が下がると眠気が訪れます。この深部体温リズムを作り出すには、お風呂に入ってのんびり過ごすことが良いとされますが、運動でも同じような効果が出せます。寝る前の激しい運動は御法度?寝る2時間前に運動をやり終えましょう深部体温を上げるのに運動は効果的ですが、寝る前の激しい運動は、からだを興奮モードにさせ、目が覚めてしまい、寝つきを悪くさせます。深部体温を上げた後、ゆっくり下げるには、寝る2時間以上前に深部体温を上げる軽い運動をやり終えることです。軽い運動は、負担が少なく長続きするような有酸素運動が良く、30分~1時間の早歩きの散歩、軽いランニング、サイクリングがおすすめです。その後は少なくても1時間はからだをリラックスさせ、休息モードにすることで、ゆっくりと深部体温が下がり、質の良い眠気が訪れます。寝る前の軽いストレッチ、マッサージは効果的寝る前の3分間に軽いストレッチとマッサージをやると良いでしょう。筋肉の緊張をほぐしやわらげることで、疲労を回復し、睡眠の質を上げてくれます。特に手足・背中のストレッチ、頭皮・わきの下・背中のマッサージは入眠を促すのに効果的です。ストレッチ・マッサージの強さは、気持ちよいと感じる程度で、ストレッチであれば10~20秒間、息を止めず、鼻で呼吸をしながら行いましょう。寝る前の軽いストレッチ、マッサージの効果は、一人一人異なります。自分に合ったリラクゼーションを見つけましょう。vol.152 令和7年1月1日発行 剛原敏  東京臨海病院 リハビリテーション室 室長 笠[参考文献]健康づくりのための睡眠ガイド2023 厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf良い睡眠の概要(案) 厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001151837.pdf(最終閲覧 令和6年12月11日)カラダによいことめざそう健康体!運動でできる快眠のコツ

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