レター 2024年 夏号
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18 救急搬送状況https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r5/heatstroke_nenpou_r5.pdf・環境省 熱中症予防情報サイト 熱中症環境保健マニュアルhttps://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php・厚生労働省 熱中症予防のための情報・資料サイトhttps://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/index.html・日本救急医学会 熱中症診療 ガイドライン2015https://www.jaam.jp/info/2015/pdf/info-20150413.pdf(最終閲覧 令和6年6月3日)「熱中症」は高温多湿の環境下で、体温調節機能がうまく働かず、体内に熱がこもってしまうことで起こります。発症しやすいのは、身体が暑さに慣れていない梅雨明けの時期から、気温が急上昇する時期です。令和5年5月から9月に全国で救急搬送された累計は9万1467人(総務省消防庁)で、令和4年と比較し2万438人増加しました。熱中症を予防するために適切な水分補給を心がけましょう。1.水分はなぜ大切なのでしょう人間の体の約60%は水分でできています。このうち2%失うと喉の渇きを感じ始めます。5%失うと全身倦怠感や頭痛、めまい、吐き気などの脱水や熱中症の症状が現れ、10%失うと筋肉のけいれん、意識混濁が起こり、20%失うと死に至ります。このように、少しの水分不足が大きな健康被害を引き起こす可能性があるのです。2.水分の選び方汗をかいていない室内での水分補給は水やノンカフェインの麦茶で十分ですが、大量に発汗した場合は汗とともに水分や塩分などが同時に失われます。したがって、汗で失った成分を補う必要があります。日本救急医学会熱中症ガイドラインには「予防・治療として塩分と水分の両方を適切に含んだもの(1Lの水に1~2gの食塩)が推奨される」とあり、現実的には、スポーツドリンクや経口補水液が手軽といえます。・スポーツドリンク 水分と塩分の補給に加え糖分を含んでいるため吸収率が高く、汗をかく作業や運動時に適しています。・経口補水液 水分と塩分が適切に配合されており、脱水や熱中症の初期症状に適しています。・緑茶やコーヒー カフェインが多く水分を排泄する作用があり、水分補給には適していません。3.必要な水分量と補給の仕方成人が1日に飲み水で必要とする量の目安は1.2Lです。胃に負担をかけずに体に吸収するためには、コップ1杯(200ml)を6回程度に分けて飲むことをおすすめします。1~2時間ごと、起床時や毎食後、入浴前後など飲む時間を決めておくとよいでしょう。大量に汗をかいた日には発汗量に合わせて増量してください。また、必要な水分や塩分は食事からも摂取することができます。まずは食事をきちんと摂ることが熱中症を予防するうえで大切です。必要量には個人差があります。塩分や糖分の過剰摂取や飲み過ぎることで持病が悪化することがあります。持病のある人は、必ず主治医の指示のもと、適切に水分補給をしてください。参考 ・ 総務省 報道資料 令和5年(5月から9月)の熱中症による カラダによいことめざそう健康体!熱中症予防のための水分をとろう 東京臨海病院 健康医学センター 保健師 西にし脇わき 美み恵え子こ

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