名画のものがたり2フィレンツェの画家で、若い頃に師とローマに行った以外はほとんどこの都市で生涯を送った。作品は公的な注文より私的なパトロンによる依頼が多かった。風景表現等には北方フランドル絵画の影響もある。ジャンルは宗教画と神話画が主だが、後者のほうにこの画家の独創性がうかがえる。盛期ルネサンスの画家だが、次代のマニエリスムの先駆をなしている。その空想的な作風は20世紀のシュルレアリストたちに高く評価された。Perseo libera Andromedavol.77利倉 隆(としくら・たかし)/ 美術評論家。著書は「絵画のなかの動物たち・神話・象徴・寓話」(美術出版社)など多数。シリーズ「イメージの森のなかへ」(12冊・二玄社)では児童福祉文化賞受賞1510-15年頃 板、テンペラグラッサ 70×123cm ウフィツィ美術館、フィレンツェ 画像:アフロピエロ・ディ・コジモ Piero di Cosimo(1462-1522年)《アンドロメダを救うペルセウス》
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