レター 2024年 冬号
24/36

22[参考]・公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「非運動性熱産生(NEAT)とは」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/kenkou-zoushin/NEAT.html 【最終閲覧日 令和5年9月12日】※1 Levine JA et al. Interindual Variation in Posture Allocation: Possible Role in Human Obesity. Science, 307, 584-586, 2005BMC Public Health, 16, 888, 2016 ※2 Honda T et al.Sedentary bout durations and metabolic syndrome among working adults: a prospective cohort study. 東京臨海病院 リハビリテーション室 室長 笠かさ原はら 剛たけ敏としめざそう健康体!定期的な運動は体重の増加を防ぎ、健康を保つのに重要とされています。しかし、「体重は減らしたいが、運動は苦手」、「時間がなくて、運動は続けられない」と言う人が多いです。今回は、何気ない日々の生活の活動量「非運動性熱産生(NニートEAT)」を高めることで、健康増進につながることについてお話しします。●非運動性熱産生(NEAT)とは「NEAT」は、「Non-ExerciseActivityThermogenesis」の略称で、「非運動性熱産生」と呼びます。非運動性とは、運動以外の身体活動を指し、熱産生とは、消費エネルギーのことを意味します。つまり運動によらない生活活動で消費されるエネルギーのことです。具体的には以下の活動になります。調理・洗濯・部屋掃除などの家事、買い物、階段昇降、通勤通学、子どもの送迎、読書、テレビ視聴、勉強、リモートワーク、事務作業など●座る時間は30分未満に努めましょう座っている時間と健康の関わりを調べると、肥満ぎみの人ほど座っている時間が長く、肥満でない人と比べ、1日あたり2時間以上も長く座っていることが報告されています(※1)。また、30分以上連続して座っている会社員はメタボリックシンドロームの発生率が高く、一方で、連続して座っている時間が30分未満の会社員は、メタボリックシンドロームの発生率には有意な差はなかったことがわかっています(※2)。デスクワークをする際は、30分以内に1度は立ち上がり、背筋を伸ばして、気分転換をしましょう。●NEATを増やす日常生活での工夫例NEATを増やすポイントは、座っている時間を短くすることです。「座るより立つ、さらに歩くこと」を意識し行動することで、自然にNEATを増やすことになります。例として次の①~③のことを試してみましょう。①立った姿勢で新聞・テレビを見る、スマホ・パソコンを操作する、ズボン・靴下を履く。②電車やバスを使うときは、座席に腰掛けず、乗降する改札口から遠い車両・車内に乗る。③エレベーターは、上りは利用するが、下りは階段を使う。運動以外の生活習慣を見直そうカラダによいこと

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る