レター 2022年 夏号
20/32

18心理面活気の低下、イライラ、不安、抑うつなど行動面仕事でのミスなど東京臨海病院 健康医学センター看護師 石いし井い 純じゅん子こ身体面頭痛、肩こり、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠など飲酒量や喫煙量の増加、ストレスとは? ストレスという言葉は、元々物理学で使われていたもので、「物体の外側からかけられた圧力によって生じた歪み」という意味です。カナダの生物学者のハンス・セリエ博士が「ストレス学説」を発表してから、医療分野でもストレスという言葉を使うようになりました。 こころやカラダにかかる外部からの刺激をストレッサーといい、ストレッサーに適応しようとして、こころやカラダに生じた様々な反応を、ストレス反応と言います。医療分野で使われるストレスは、この両方の意味を含んでいます。●ストレスとなる外部からの刺激(ストレッサー) 日常生活の中で起きる様々な変化が、ストレスの原因になります。●︎環境的要因(天候や騒音など)  ●︎身体的要因(過労や睡眠不足など)●︎心理的要因(不安や怒りなど)  ●︎社会的要因(職場の人間関係の悪化など) つらいことだけでなく、嬉しいことや楽しいイベントなどもストレスの原因になります。●こころやカラダに生じる様々な反応(ストレス反応)自分自身のストレスを知ろう! ストレスは誰にでもあるものですが、過度なストレスは、病気の誘引や発病につながります。まずは、自分自身のストレスについて、理解しておきましょう。 どのような時に受けやすいのか、どのような症状が出やすいのか、時々自分のことを観察するようにしましょう。ストレスと上手く付き合う工夫 バランスの取れた食事、良質な睡眠、適度な運動など、生活習慣を整えましょう。リラックスする時間、趣味の時間も必要です。 ストレスを感じている時は、物の見方を変えてみることも大切です。上手くいっていないことばかりに注目せず、実際に上手くいっていることに注意を向けたり、考え方を変えてみるだけで、気持ちが楽になることもあります。物事を柔軟に捉えられるように工夫してみましょう。 ストレスを自分自身でコントロールすることができれば、成長にもつながります。また、多くの人の支援を受けて適切に対処することができれば、人生を豊かに送ることができます。友人、同僚、家族以外に、専門家に相談することも大切な方法です。[参考]厚生労働省ホームページ「こころの耳」 https://kokoro.mhlw.go.jp「みんなのメンタルヘルス」 https://www.mhlw.go.jp/kokoro/ストレスとうまく付き合うための基礎知識

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る