レター 2022年 冬号
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特定健診・特定保健指導とは健康寿命は、6年間で男性は1・7年、女性は1・2年延びる生活習慣病のリスクがないのは3割以下令和元年度 特定健診の結果分析今回は、令和元年度における特定健康診査(以下「特定健診」といいます)の結果から、健康寿命と生活習慣病のリスク及び特定健診・特定保健指導の大切さについてお伝えします。特定健診は、日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、40歳から74歳までの人を対象とし、メタボリックシンドロームに着目した健診です。加入者は、学校等が定期健康診断の結果を提出することにより、特定健診を受診したとみなされます。特定保健指導は、特定健診の結果から生活習慣病を発症する可能性が高く、生活習慣の改善による予防効果が期待できる人に対して、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が生活習慣を見直し、サポートする制度です。生活習慣病は、健康寿命(健康で支障なく日常生活を送ることができる期間)を阻害する要因になっています。生活習慣病にかかるリスクを早い段階から減らして、「健康寿命を延ばし、健やかに過ごす」ことにつなげることが大切です。ご存じのとおり、日本人の平均寿命は年々延びています。しかし、健康に何らかの問題を持っている期間が長いと、健やかな日常生活を過ごすことができません。健康寿命は、平成22年度実績で男性が70・4歳、女性が73・6歳でしたが、平成28年度には男性が72・1歳、女性が74・8歳と、男性が1・7年、女性が1・2年延びました。健康寿命が延びたとはいえ、平均寿命と健康寿命の間には依然として男性で8・9年、女性で12・3年の差があると報告されています(図1参照)。平均寿命と健康寿命の期間の差を縮めるために、特定健診・特定保健指導への取り組みをより強化する必要があります。現在、働き世代である加入者の健診結果を確認すると、生活習慣病のリスクを持っていない人は27・8%という結果となっています。22・0%はすでに服薬等の生活習慣病の治療を医療機関で実施しており、50・2%は生活習慣病のリスクを持っています(23ペーここでいう生活習慣病のリスクとは、肥満であることや、血圧、血糖、脂質などの血液検査の値に問題があることをいいます。リスクがある人のうち、き特定保健指導の対象となる人です。 63・3%はリスクがあるものの直ちに特定保健指導の対象となるまでには至りませんが、少しでも検査結果が悪くなると対象となってしまいます。ジ図2参照)。東京臨海病院 健康医学センター長心臓血管外科部長 山や本も知と則のより長く健やかな生活を続けていくために228.9年■平均寿命 ■健康寿命12.3年■平均寿命 ■健康寿命『「健康日本21(第二次)」中間評価報告書』より作成36・7%は生活習慣の改善等を行うべ   まと もり        図1 平成22年度と28年度の平均寿命と健康寿命の比較H28年度H22年度H28年度H22年度81.0歳72.1歳79.6歳70.4歳87.1歳74.8歳86.3歳73.6歳男性女性

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